ご高齢でお一人暮らし等の場合、
ご家族にとっても老人ホーム等の施設にご入居して生活される方が安心という事で、
ご高齢のご家族の施設入居について検討される方もいらっしゃるかと思います。
お一人暮らしであった家族が施設入居する場合、
ご自宅に家族の方が住み続ける事ができれば良いですが、
住む方がおらず空き家になった場合には、犯罪や老朽化のリスク、維持費などの負担等、が考えられます。
空き家のまま持ち続けるのはリスクがあります。
自宅を売却するべきかどうかの判断は、
「施設入居後、家を活用する予定があるか」によってきます。
将来的に誰も住む予定がないのであれば、早期売却がおすすめです!
早期売却する3つのメリット
①家の売却代金を施設入居費用や介護・医療費などに充てられる
②売却することで、固定資産税や維持費がかからなくなる
➂空き家のリスク、老朽化による周辺への影響、害虫の発生、犯罪に利用される、
というような事を避けることができる
施設入居費用に充てられたり、自宅を所有していた事により
かかっていた税金や維持費がかからなくなる等、金銭面でのメリットが大きいです。
また、空き家のまま保有するリスクを避けられるのも大きなポイントです。
施設入居時に家を売却した場合の3つのデメリット
①ご家族が今後将来住む可能性がある
②施設と自宅を行き来したい
➂施設が合っていない場合、自宅に戻るなどができなくなる
有料老人ホームの一室の最低面積は13㎡(約8.5畳)以上と
定められており、平均的な広さは約17.4㎡(約10.5畳)です。
ゆとりのあるスペースとはいえ、持っていける家財は限られてしまうので、
家を売却してしまうと、売却時に施設に持っていけない家財は大幅に整理する必要が
あります。
また、施設と自宅を行き来したい場合や施設が合っていない場合に自宅に戻るなども
家を売却後はできなくなってしまいます。
老人ホーム入居の際に自宅を売却するメリット、デメリットをしっかりと検討し、
売却をすることを決断した場合、どのような流れで売却~施設入居ができのかみてみましょう。
[1]入居施設を検討しましょう。
家を売却してしまうと、合わないからすぐに施設を退去したい等の希望が難しくなりますので、しっかりと見学、体験入居等をして、ご自分にあった施設を見つけましょう。
[2]入居したい施設が見つかったら、仮申込みをします。
仮申込みから入居までは約1ヶ月程、かかると言われています。
その間に入居に必要な書類の用意等を準備します。
[3]ご自宅を売却する場合、売却を不動産会社に依頼します。
まずは所有している物件の売却査定をし、ご納得されましたら、不動産会社に物件の売却を依頼します。不動産会社と売却が成立したときの不動産会社が受け取る報酬額や売却活動の方針を決める媒介契約を結びます。
ここで考えなければいけないのが、
「どのような方法で物件を売却するか」です。
(一般売却)
不動産会社に個人のお客様への売却活動を依頼する一般売却の場合、売却価格は一般的な相場価格で売却が可能ですが、期間がかかります。
物件によりますが、平均で「3ヶ月~9ヶ月」程、売却までに時間がかかります。
施設入居時の「入居一時金」や「敷金」に充てたい場合、
早くから不動産会社に依頼して売却活動を進める必要があります。
また、家の売却が先になりますので、売却から施設入居までの期間は仮住まいが必要になります。
(業者買取での売却)
物件を不動産の買取業者に買い取ってもらう場合、
売却までの期間は物件にもよりますが、
2週間~1ヶ月程の期間で売却可能です。
但し、売却価格は相場の6割~8割になるのが一般的です。
施設の入居のタイミング、売却のタイミングによっては、仮住まいが必要になる場合があります。
(リースバックでの売却)
「自宅を売却後、賃貸で住む事ができる」リースバックを利用すると、入居までの期間を賃貸契約で住むことができるので、仮住まいを探す必要が無く、施設入居までがスムーズです。
リースバックは最短5日~数週間でご自宅を売却して、現金化することができるので、
施設を決めた後で、「入居一時金」等の資金に充てることも可能です。
ただし、リースバックの場合、売却価格が相場の6割~7割ぐらいになる事が一般的です。
以上のことを踏まえて、ご自宅を売却する場合3つのパターンが考えられます。
①ご自宅の売却、施設の入居を平行して行う
「入居一時金」等への蓄えが充分にある場合、
急いでご自宅を売却して、相場より少ない金額で売却する必要はないでしょう。
施設への入居とご自宅の売却を同時に行うことで、ご自宅を相場と同じくらいの金額で売却し、資金を多く得られることができます。
②ご自宅を先に売却して、入居資金をつくって、施設入居をする
「入居一時金」等をご自宅の売却金で利用したい場合、
施設に入居する前にご自宅を売却することになります。
施設入居の準備の前に不動産会社に売却依頼等の売却活動を行います。
売却先が決まってから、入居する施設を申込をする等、タイミングを合わせる必要があります。希望する売却価格によっては、売却までに時間がかかる可能性もあります。
また、不動産売却時の決済と物件の引き渡しは同日に行われるため、
入居までの一時的な住まいを確保する等が必要になります。
➂ご自宅を先に売却して、入居資金をつくって、施設入居する、ただし、入居を急いでいる
ご状況によっては、介護が必要で施設入居したい、サポートする人がおらず、入居を急いでいる等もあるかと思います。
その場合は、断然、リースバックがおすすめです。
リースバックは売却価格が相場価格の6~7割と下がるのが一般的ですが、
施設を入居するための期間を定めた一時的な賃貸契約の場合、賃料は抑えられる場合があります。
最短で5日で現金化できるので、入居を急いでいる方等にとっては、効果的な方法だといえます。
[4]入居施設と契約し、入居の運びとなります。
契約書類を準備し、提出、面談後、施設の方で審査が行われ、受入れ可能となれば入居となります。
入居までに「入居一時金」や「初月の費用(家賃、光熱費)」の支払いが必要となります。
[5]ご自宅の売却の売買契約を締結し、決済、契約後、物件の引き渡しとなります。
不動産会社の売却活動により、購入を決めた買主と売買契約を締結します。
売買契約には事前に下記のような書類が必要となりますので、事前に準備しておきましょう。
(必要書類)
●実印・認印
●身分証明書
●登記済権利証
●印鑑証明書
●収入印紙
売買契約の中で定めた日時で決済と物件の引き渡しが行われます。
住宅ローンが残っている場合は融資先の金融機関との間で同時に返済を行います。
売主・買主・不動産会社・金融機関の担当者を交えて決済が完了したら、
同日のうちに不動産の現地に赴き、不動産の引渡しが行われます。
そのため、物件の売却で「入居一時金」等を利用したい場合は、
決済と物件の引き渡しが同時に行われますので、
それまでにご自宅を引き渡せる状況にするために、一時的な住まいの確保等が必要になります。
おわりに
老人ホーム入居時は自宅を売却した方が良いかどうかについて、メリット、デメリット、
不動産売却、施設入居までの流れをみてきました。
先にご自宅を売却してから、施設入居をお考えの方は入居までの一時的な住まいを確保したりする必要があります。
ご状況によっては「リースバック」を利用することを検討してみるのも良いかと思います。
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