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【不動産売却の罠】なぜ高額査定に騙されてはいけないのか?大手が「高取り」に走る裏事情

執筆者の写真: ouchishikin
ouchishikin
10月4日
読了時間: 6分

「大事な我が家を少しでも高く売りたい」


そう思うのは自然なことです。売却査定をいくつかの不動産会社に依頼した際、1社だけ他社より数千万円も高い査

定額を提示してきたらどうでしょう。「この会社はうちの価値をわかってくれている!」と選んでしまいたくなりますよね。


しかし、不動産業界には「高取り(たかどり)」と呼ばれる危険な手法が存在します。

今回は、なぜ相場を無視した高額査定が危険なのか、そしてなぜ業界の「大手不動産会社」ほど高取りを行いやすいのか、その業界の実情を詳しく解説します。



そもそも「高取り」とは?

「高取り」とは、実際には売れる見込みのない相場からかけ離れた高い査定価格を提示し、媒介契約(売却の依頼)を結ばせる手法のことです。


不動産の査定額は「その価格で売れることを保証する金額」ではなく、あくまで「売却の目安価格」に過ぎません。これを利用し、まずは契約を取ることだけを目的に高めの数字を提示するのが「高取り」の悪質なところです。



なぜ「高取り」はダメなのか?売主が被る3つの大損


高く出してくれるなら、ひとまずその価格で売り出してみればいいのでは?と思うかもしれません。しかし、高取りに乗っかると最終的に売主が大きな損をすることになります。


1. 売却時期を逃し、物件の「鮮度」が落ちる

不動産を探している買主は、ポータルサイトなどを日常的にチェックしています。相場より大幅に高い物件が出ても見向きもされず、売れ残ってしまいます。


長期間ポータルサイトに掲載され続けると、買主側から「この物件、何か問題があって売れ残っているのかな?」と警戒され、物件の価値(鮮度)が下がり売れにくくなります。


2. 結局、大幅な「値下げ」を迫られる

媒介契約(通常3ヶ月)を結んだ後、数週間〜1ヶ月ほど経つと、担当者からこう言われます。

「反応が鈍いので、少し価格を下げましょう」 これを何度も繰り返し、最終的には相場価格、あるいは相場以下の価格まで叩き売られることになります。


3. 機会損失と住宅ローンの二重払い

買い替えなどで売却の期限が決まっている場合、高取りによって無駄な時間を費やすと、引っ越しスケジュールの遅延や無駄な住宅ローンの支払いが発生するなど、資金計画全体が狂ってしまいます。



なぜ大手不動産会社の営業マンほど「高取り」をするのか?

実は、街のこぢんまりとした不動産屋よりも、誰もが知る大手不動産会社の営業マンほど高取りを行う傾向があります。これには明確な業界構造の理由があります。


理由①:激しい「媒介件数」のノルマ(KPI)

大手の営業マンには毎月厳しい「媒介件数(売却依頼を獲得する件数)」のノルマが課されています。


営業マンの評価は「査定した件数」ではなく「契約を取った件数」で決まります。競合他社に勝って契約を手に入れる手っ取り早い方法が「他社より高い査定額を出すこと」なのです。


理由②:「両手仲介」による手数料の最大化

大手不動産会社が狙うのは、売主と買主の双方向から仲介手数料をもらう「両手仲介」です。

自社で売却依頼(専任媒介)さえ囲い込んでしまえば、後から価格を下げさせて自社の顧客に売ることで、社内の利益を最大化できます。営業マンにとっては「まずは受任すること(高取り)」が最優先になってしまう仕組みなのです。



理由③:会社の「ブランド力」を悪用した安心感の演出

「大手の〇〇不動産が言うのだから間違いないだろう」という売主の信頼を逆手に取りやすい環境があります。

「我が社の豊富な顧客データと集客力なら、この高値でも売れます!」と自信満々に提案されると、売主も信じてしまいがちです。



査定時に「高取り」を見抜くためのチェックリスト

高取りの被害に遭わないために、査定を受けた際は以下のポイントを確認しましょう。

  • 根拠のある査定か?

    • 近隣の類似成約事例や、競合中の売り出し物件データを提示して説明してくれるか。単なる「カン」や「営業力で売ります」はNG。


  • メリットだけでなく「リスク」も話してくれるか?

    • 「この価格だと挑戦的になるため、〇ヶ月売れなければ〇〇万円に下げる戦略でいきましょう」といった具体的な出口戦略を提案してくれるか。


  • 他社の査定額を過剰に意識・批判していないか?

    • 「他社は低すぎます。うちならもっと高く売れます」と価格だけでアピールしてくる会社は注意。



【最強の対策】「買取金額」を尋ねることで高取りは一発で見抜ける!

高取りの被害に遭わないために、非常に効果的な対策があります。

それは、査定時に「もし仲介で売れなかった場合、御社で直接買い取ってくれる金額(買取価格)はいくらですか?」と尋ねることです。


買取金額を訊くべき理由

不動産会社が自社で買い取る場合、転売リスクやリフォーム費用を考慮するため、一般的には「仲介での適正相場(市場価格)の7割〜8割程度」になります。


ここに高取りを見抜くポイントがあります。

項目

適正な提案をする不動産会社

高取りをする不動産会社

査定額(仲介)

4,000万円(適正相場)

5,000万円(相場無視の高値)

買取提示額

3,000万円前後(査定額の約7.5割)

3,000万円前後(※実際の市場価格の7.5割)

査定額と買取額の乖離

約1.25倍〜1.3倍程度

約1.67倍以上(明らかに不自然)

不動産会社は自社で買い取るリスクを追う際、絶対に嘘の(高すぎる)金額は提示しません。そのため、買取金額には「その会社が把握している本当の市場価格(裏の適正相場)」が如実に表れます。



チェックすべきフレーズ


査定時に担当者にこう聞いてみてください。

「仲介での査定額が5,000万円とのことですが、御社で即時買取する場合の金額はいくらになりますか?」

もし、買取金額が3,000万円などと言われた場合、その会社が内心で思っている実際の相場は4,000万円程度(3,000万円÷0.75)です。


つまり、仲介査定額の5,000万円は媒介契約を取るためだけの「高取りの数字」である可能性が極めて高いと判断できます。



まとめ:高額な数字ではなく「根拠」と「裏付け」で会社を選ぶ

不動産売却で成功するために大切なのは、「高く査定してくれる会社」ではなく「適正価格の根拠とリスクを隠さず示してくれる会社」を選ぶことです。


  1. 査定額の算出根拠(近隣成約データ)を確認する

  2. 買取金額を尋ねて、仲介査定額との乖離幅をチェックする

  3. 売れなかった場合の具体的な「値下げ戦略(出口戦略)」を聞く


甘い言葉や魅力的な高額査定だけに惑わされず、買取金額などの客観的なデータを使って賢く不動産会社を見極めていきましょう。


まとめ:査定額の高さではなく「提案の根拠」で会社を選ぶ

不動産売却で成功するために大切なのは、「高く査定してくれる会社」ではなく「適正価格を根拠をもって示し、現実的な販売戦略を立ててくれる会社」を選ぶことです。


甘い言葉や高額な査定数字だけに惑わされず、提示された金額の裏にある根拠をしっかり見極めて、最高のパートナーとなる不動産会社を選んでいきましょう。


 
 
 

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